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   国庫負担2分の1引き上げ   

 
 基礎年金の国庫負担割合を2009年(平成21)年4月に現行の3分の1から2分の1に引き上げる法案が国会に提出され審議されている。
 2004(平成16)年の年金制度改正においては、今後さらに急速に進行する少子高齢化を見据えて、将来にわたり年金制度を持続的で安心できるものとするため、給付と負担の両面にわたる見直しを実施し、国庫負担引き上げを含めた年金財政の4つのフレームワークを構築することとされた。
 また5年ごと(次期:2009年(平成21)年)に法律に基づき財政検証が行われ、長期的な財政収支の見通しを作成し、新たな年金財政のフレームの有効性を確認するしくみも取り入れられた。
 フレームワークの1つは、保険料水準の固定方式の実施である。2017(平成29)年度以降の保険料水準を固定(厚生年金:18.30%、国民年金:16,900円)し、厚生年金は平成16年10月から毎年0.354%ずつ引き上げ、国民年金は平成17年4月から毎年280円ずつ引き上げられている。
 次がマクロ経済スライドで、負担の範囲内で給付水準を自動的に調整するしくみを導入。標準的な給付水準は現在の59.3%から、現役世代の人口減少とともに水準が調整されていく。ただし、今後の少子化の中でも年金を受給し始める時点で現役サラリーマン世帯の平均所得の50%を上回る。
 また、おおむね100年間で財政の均衡を図る方式が採用され、財政均衡期間の終了時に給付費1年分程度の積立金を保有することとして、この積立金を活用して後世代の給付に充てることになる。
 最後が、基礎年金国庫負担割合の2分の1引き上げである。所要の安定的な財源を確保する税制抜本改革を行ったうえで、2009(平成21)年4月までに完了することが法律上明記されたが、具体的な時期と財源については、別途定めることとされた。
 ただ、年金制度を持続可能なものとするためには、4つの骨組みすべてが実働することが必要不可欠とされており、国庫負担引き上げのための財源をどうするかという問題がかねてからの懸案となっていた。
 現在審議されている法案の趣旨は、年金制度の長期的な給付と負担の均衡を図り、年金制度を持続可能なものとするとともに、将来的な給付水準は現役世帯の手取り収入の50%を確保し、国民の年金制度への信頼確保を図る観点から、2009(平成21)年度から基礎年金国庫負担割合の2分の1引き上げを実現するための所要の措置を講ずるというもの。
 法案の概要をみると、2009(平成21)年度と2010(平成22)年度は安定財源を確保することができなかったため、臨時措置として、財源確保法の規定に基づく財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰入金を活用し、2分の1との差額を負担するとしている。
 また、老齢基礎年金の額計算に関しては2009(平成21)年度および2010(平成22)年度の全額免除期間の月数を保険料納付済期間の月数の2分の1と算定するなどの措置が講じられる。
 その後、税制改正法の規定に従って行われる税制の抜本的な改革により所要の安定財源を確保したうえで、基礎年金国庫負担割合2分の1を恒久化するが、それまでの間は臨時の措置を講じるとしている。
 いわゆる埋蔵金の取り崩しなど、当座の急をしのぐための措置が取られるわけで、法案には2011(平成23)年度以降の具体的な展望は示されていない。