少子高齢化の進行に伴い、国民の高齢期における所得確保の観点から、企業年金など年金制度の3階部分の重要性が高まっている。そうした状況の中で、政府は2009(平成21)年3月6日、「企業年金制度等の整備を図るための確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」を閣議決定し、今通常国会に提出した。
施行時期は一部を除き2010(平成22)年1月の予定となっているが、経済団体などからの要望が強かった企業型確定拠出年金のマッチング拠出の導入および拠出限度額の引き上げが認められることになる。法案にはこのほか、連合会による加入者記録等の情報提供や国民年金基金の加入年齢の引き上げなどの改正も盛り込まれている。
具体的な改正内容は次のとおり。
(1)確定拠出年金法の一部改正(マッチング拠出の容認)―平成22年1月施行
@企業型確定拠出年金の加入者は、加入者期間の計算の基礎となる各月につき、企業型確定拠出年金規約に定めるところにより自ら掛金を拠出することができるものとし、掛金の額は規約に定めるところにより、加入者が決定または変更するものとする。
A加入者が掛金を拠出する場合にあっては、加入者掛金の額の決定または変更の方法、その他その拠出に関する事項を規約に定めるものとし、規約においては、加入者掛金の額が事業主掛金の額を超えないように、加入者掛金の額の決定または変更の方法が定められているものとする。
B加入者は、毎月の加入者掛金を翌月末日までに事業主を介して資産管理機関に納付するものとする。
C加入者掛金の納付を行う事業主は、加入者に対して通貨を持って給与を支払う場合は、前月分の加入者掛金を給与から控除できるものとし、事業主は加入者掛金を控除したときは、掛金控除に関する計算書を作成し、その控除額を加入者に通知しなければならない。
(2)厚生年金保険法等の一部改正(連合会による情報提供)―平成23年4月施行
厚生年金基金、確定給付企業年金を実施する事業主または企業年金基金、および国民年金基金は、加入者等に関する記録等の情報の収集、整理または分析を、企業年金連合会および国民年金基金連合会に委託することができるものとする。
(3)国民年金法の一部改正(国民年金基金の加入年齢の引き上げ)―公布の日から2年を超えない範囲
国民年金の任意加入被保険者が国民年金基金に加入できるものとする。
企業型確定拠出年金における企業拠出の現状は、他の企業年金がない場合は拠出限度額4.6万円に対して平均月額が約1.3万円、他の企業年金がある場合が2.3万円に対し約1万円と低く、老後所得保障として十分といえないといった問題が指摘されていた。
このため、2009(平成21)年度税制改正において、マッチング拠出導入に係る掛金の所得控除の適用については、その全額を所得控除の対象とし、拠出限度額を引き上げることとされていた。
拠出限度額の引き上げは政令改正事項で、以下のように税制改正要綱に沿った引き上げが予定されている。
〈企業型〉
他の企業年金がない 4.6万円/月→ 5.1万円/月
他の企業年金がある 2.3万円/月→2.55万円/月
〈企業型〉
他の企業年金がない 1.8万円/月→2.3万円/月 |