厚生労働省は、現在の厳しい雇用失業情勢を踏まえ、失業保険の雇用保険料率を平成21年度に限り0.4%引き下げるなどの改正雇用保険法を3月31日に施行した。
一方、緊急雇用対策としては、できる限り雇用の安定に努めることを事業主の責務と位置付けた上で、事業縮小等で離職を余儀なくされる労働者が発生する場合は、ハローワークへの届出や再就職支援を行うなどの指導を徹底している。
■相当数の離職者が発生する場合
事業規模の縮小に伴い、1ヵ月以内に30人以上の労働者が離職を余儀なくされることが見込まれる場合、最初の離職が発生する1ヵ月前までに、「再就職援助計画」を作成してハローワークに提出し、認定を受けなければならない。
自己都合または自己の責めに帰すべき理由によらないで、1ヵ月以内に30人以上の離職者が発生する場合、最後の離職が発生する1ヵ月前までに、その離職者の数等について、「大量雇用変動届」を作成し、ハローワークに提出しなければならない。
■採用内定取り消し等を行う場合
新規学卒者に対しての事業主の一方的な都合による採用内定の取り消しや入職時期の繰下げは、その円滑な就職を妨げるものであり、とくに、採用内定の取り消しについては、対象となった学生および生徒本人並びに家族に計り知れないほどの打撃と失望を与えるとともに、社会全体に対しても大きな不安を与えるものであり、決してあってはならない重大な問題であることを強調している。
また採用内定の取り消しを防止するため、最大限の経営努力を行うなどあらゆる手段を講ずるよう求めている。
やむを得ない事情により採用内定の取り消しを行った場合は、対象者からの補償の要求には誠意を持って対応しなければならないとしている。
■労働者派遣契約を中途解除する場合
労働者派遣契約を中途解除する際、派遣先は、@事前に派遣会社に申し入れ派遣会社の合意を得なければならない、A関連会社での就業をあっせんするなど、派遣労働者の就業機会の確保を図る、B派遣会社から請求があったときには、労働者派遣契約解除の理由を明らかにする―などの措置を講じなければならない。
また派遣会社は、@派遣先と連携して派遣労働者の新たな就業機会を確保する、Aやむを得ず派遣労働者を解雇する場合には、労働基準法等に基づく責任を果たさなければならない―などの措置を講じる必要がある。
高年齢者や障害者、外国人の解雇についても、届出等の事業主の責務が課せられることになる。
なお、事業主が雇用の維持や離職する労働者の再就職支援に取り組む場合、以下のような支援策が用意されている。
<雇用調整助成金>
事業活動の縮小を余儀なくされ、休職または出向を行った事業主に対して、賃金負担額の一部を助成
<中小企業緊急雇用安定助成金>
中小企業の事業主向けに、雇用調整助成金の助成内容等を拡充
<労働移動支援助成金>
求職活動のための休暇付与、職場体験講習の受講などの労働者への支援を行う事業主に助成金を支給
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