社会保険の今ホットな話題

 

   連合会年金の未請求者   

 

 企業年金連合会(徳永哲男理事長)は、9月1日、連合会年金の未請求者が平成21年3月末時点で143万件も存在していることを、厚生労働大臣に報告した。
 連合会は、退職や事業所の制度脱退などによる企業年金(厚生年金基金、確定給付企業年金)の中途脱退者の年金支給義務を引き継いでいる。
 しかし、平成19年9月に未請求者が124万人もいることが判明したことから、連合会は厚生労働省の要求を受け、未請求者解消に向けた対策を実施しその結果を報告しているが、今回の報告が3回目となる。
 連合会によると、未請求者の発生は、中途脱退後に転居しても住所変更届が提出されず、現住所不明となり請求書類を送付できないことを原因の一つにあげている。
 この課題に対し、連合会は現住所を把握するため、平成20年4月から社会保険庁が保有する住所情報を活用しており、平成19年3月末の未請求者124人のうち現住所不明者(転居先不明者)88万人が、平成21年3月末時点で64万人に減少している。
 連合会は未請求のもう一つの原因として、請求先延ばしや年金額が少額のため請求しないことをあげている。60歳台前半は在職中の人が多く、公的年金の裁定請求と合わせて引退時に請求しようというケースなど。60歳台前半の未請求者は143万人中88万人(62%)、また年金額が5,000円未満(月額417円未満)と少額の人が143万人中67万人(47%)などとなっている。
 未請求者解消の取組みとして、連合会は社会保険庁が保有する住所情報の活用による現住所の把握のほかに、次のような取組みも実施してきた。
(1)事業所から中途脱退者等への周知徹底
 中途脱退者の退職時に、事業所での説明が徹底するように、制度・手続きの内容を記載した「ご案内チラシ」を配付(19万部)。
 連合会に年金支給が承継されたこと、および住所・氏名変更時には連合会へ必ず届け出ることについての周知徹底を要請。
(2)広報の実施
 全国の社会保険事務所や年金相談センター等へ、年金請求を呼びかける広報チラシを配付(4.5万件)。
 東京都内11自治体の広報誌に年金の請求を呼びかける記事を掲載。
(3)中途脱退者等へ送付する「承継通知書」の改善
 住所・氏名変更時には忘れずに、必ず連合会へ届け出ることについて注意喚起する内容を「承継通知書」に記載し、住所・氏名変更届を同封。
(4)連合会ホームページの改善
 ホームページ上で、中途脱退者かどうかの確認や住所変更届ができるよう改善。
(5)相談体制の充実
 電話相談窓口の強化(平成20年5月から70人を100人体制に強化)。
 連合会は今後の対応としては、これまでの諸対策に加えて、@住民基本台帳ネットワークの活用、A社会保険庁との連携、B社会保障カード構想の活用、などの実施案を検討している。
 具体的には、住民基本台帳ネットワークが保有する住所情報を現住所把握に活用できるよう、関係先に働きかけを行っている。
 また、平成21年4月から実施されている国の「ねんきん定期便」においては、加入していた厚生年金基金の名称(解散している場合はその旨)や基金番号を記載することや、厚生年金基金に加入していた期間がある場合は、その期間の給付額は厚生年金基金または連合会から支給されることになる旨をねんきん定期便に注記するよう求めている。
 社会保障カード構想では、加入者がパソコンで自分の年金記録を閲覧したり、ワンストップサービスが利用可能になるなどの構想がたてられているが、連合会の情報も提供できるような参画の検討を進めるとしている。