平成21年10月から個人住民税の年金からの引き落とし(特別徴収)が始まる。個人住民税は、これまで年4回、納税者が自ら市役所や金融機関などの窓口にわさわざ出向いて納付(普通徴収)していた。特別徴収の実施で、この手間が省かれるとともに、市区町村の事務の効率化が図られる。
個人住民税の特別徴収制度は、社会保険庁など年金を支払う保険者が、個人住民税を年金受給者の公的年金から引き落として、直接、市区町村に納める仕組み。
平成21年4月1日現在で65歳以上となる公的年金の受給者で、前年中の年金所得にかかる個人住民税の納税義務のある人が対象となる(対象者は公的年金の受給者約2,800万人のうち、約23%の約650万人)。
ただし、「介護保険料の特別徴収の対象とならない人」や「その年度の個人住民税の特別徴収税額が老齢基礎年金等の額を超える人」などは対象とならない。
老齢基礎年金または昭和60年以前の制度による老齢年金、退職年金などが引き落としの対象となるが、障害年金や遺族年金などの非課税の年金からは個人住民税の引き落としは行われない。
引き落とされるのは、年金所得にかかる個人住民税のみで、給与所得など年金所得以外の所得にかかる個人住民税については、別途、従来どおりの方法で納めることになる。
年金からの個人住民税の引き落としは、平成21年度の引き落としの初年度は、年税額の2分の1に相当する額を6月と8月に分けて金融機関などで納付を行い、残りの2分の1に相当する額は10月から3月までの各年金支給月(10月・12月・2月)の3階に分けて、支給される公的年金から引き落とされる。22年度以降は、年度上半期については年金支給月(4月・6月・8月)ごとに、前年度下半期の特別徴収税額の3分の1(前年度12月および2月分と同額)が仮徴収される。また、年度下半期については年金支給月(10月・12月・2月)ごとに、年税額から上半期に仮徴収された特別徴収税額を差し引いた額の3分の1が特別徴収される。
10月を除く、各支払月に徴収される額に100円未満の端数がある場合は、その端数を切り捨て10月に上乗せされる。
特別徴収の対象者には、各市区町村から送付される税額決定・納税通知書によって、引き落とし(特別徴収)される税額が通知されることになる。
個人住民税の特別徴収の実施に伴い、社会保険庁は9月28日に個人住民税の公的年金からの特別徴収に係るQ&A等の送付について」とする事務連絡を地方社会保険事務局長あてに送付した。
Q&Aは年金受給者からの照会を想定し、社会保険事務所等での相談対応用に使うものだが、「希望で普通徴収に変えることができないこと」や「他の市区町村に転出すると年金からの引き落としが中止されること」などのほか、「市区町村によっては対象者が少ない場合やシステム改修に時間がかかる場合は、特別徴収を実施しないケースもある」などの回答を示している。
また、特別徴収制度は「納入方法を変更するものであり、新たな税負担が乗じるものではない」ことを強調している。
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