社会保険庁は(平成22年1月からは日本年金機構)平成20年12月から、本人が従業員であり、給与明細書や雇用保険の記録などにより申立内容に対応する給与実態が確認できるなど一定の条件を満たした場合は、年金記録確認第三者委員会に送付することなく、社会保険事務所(平成22年1月からは年金事務所)の段階において、記録回復を行うこととしていた。
さらに、不適正な遡及訂正処理が行われた可能性のある記録を抽出するために用いた3条件※のすべてに該当する約6万9千件の記録に係る者については、平成21年5月の通知により、給与明細書や雇用保険の記録がない場合でも、事業主への調査や事業所を管轄する社会保険事務所の調査により、事実に反する処理が行われたと認められる場合は、社会保険事務所の段階において、記録の回復を行っている。
また、約6万9千件の記録に係る者の事案について、その処理の更なる迅速化を図るため、5月に発出した通知を廃止し、平成21年12月に新たな通知を発出している。
それによると、約6万9千件の年金記録に係る申立については、次のいずれかに該当する場合を除き、第三者委員会に送付せず、社会保険事務所の段階において年金記録の回復を行うこととした。
(1)申立人が法人の役員(事業主を含む)であった場合
(2)事業主から遡及して標準報酬月額を引き下げるなどの説明を受け、申立人がそれに同意していたこと(申立人が社会保険事務を自ら担当し関与していたことを含む)が確認できる場合
(3)標準報酬月額または資格喪失日の記録の訂正処理や資格喪失日の記録の入力処理などが事実に即したものである可能性が確認できる場合
(4)申立の内容が、すでに総務大臣からの記録回復が不要である旨の決定が行われ、ている事案(非あっせん事案)について再申立である場合
本人からの申立を受ける際には「今回の申立により年金記録の回復を行った場合においても、その後事業主への調査を行う場合があり、その調査により仮に申立内容が事実と相違することが判明したときには、判明した内容に沿って再度記録を訂正することとなる。その結果、年金の過払いが確認できたときには、その分を返還いただくことになる」ことを説明した上で、申立人からの署名を受けることになる。
申立を契機として、新たに事業主への調査が行われることはないが、すでに社会保険事務所で事業主への調査を行っており、事業主が申立人の事実と同時期の遡及訂正処理について事実と相違しない旨の回答をしている場合は、事業主の同意を得た上で、本人にその旨が説明されることとなる。
すでに年金記録の回復を行った場合において、事後的に申立内容が事実と相違することが判明したときには、判明した内容に沿って再度記録を訂正し、その結果、年金の過払いが確認できたときには、その分の返還が求められることになる。
また、偽りやその他の不正手段により保険給付を受けたときは、その者に対し不正手段による受給額を徴収できるほか、不正受給の翌日から年率14.6%の延滞金を課すことができるとされている。 |