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   高齢者医療の保険料改定   

 
 後期高齢者医療制度は平成20年度にスタートしたが、制度施行後初めて保険料率の改定が行われた。
 後期高齢者医療の財源は、5割を公費、4割を若い世代の保険料負担、残りの1割を高齢者(保険者)の保険料負担によって賄っている。
 高齢者の保険料は、「一人当たりの定額保険料(均等割)」と「所得に応じた保険料(所得割)」を合計した額で、負担能力に応じたしくみとなっている。
 保険料の計算の基となる保険料率は、制度を運営する各都道府県の後期高齢者医療広域連合が決定し、2年ごとに改定することになっている。
 今回の保険料率の改定に当たっては、被保険者一人当たりの保険料額は、平成21年度と比較し、全国平均で約14%増加することが見込まれていた。そこで厚生労働省は、保険料の増加を極力抑制するため、各都道府県と広域連合に対し次の対応を依頼した。
@各広域連合においては、平成20年度の医療給付費の実績額が見込額を下回ったことなどから剰余金が生じる見込みであり、これを平成22年度からの財源に充当する。
A31の都道府県で財政安定化基金※1を取り崩す。
B保険料の増加率が特に高くなると見込まれている5つの都道府県においては、財政安定化基金を積み増しした上で取り崩す※2。
※1:財政安定化基金は、医療給付費の見込み以上の伸びや保険料の収納不足によって広域連合の財政に不足が生じた場合に、広域連合に対し資金の交付や貸付を行うために各都道府県に設置されている。
※2:財政安定化基金の財源は、国・都道府県・広域連合が3分の1ずつ負担することになっており、基金を積み増す場合には国も都道府県と同額を拠出する。
 これらの対応策を講じた結果、保険料の増加は大幅に抑制され、平成22年度の被保険者一人当たりの保険料の増加率(平成21年度比)は、全国平均で2.1%(23年度も同)にとどまることになった。保険料の増減幅は各都道府県によって異なるが、31の都道府県では増加に、15の県では減少に、1つの県では増減なしとなっている。
 一方、後期高齢者医療制度は、「保険料が年金から天引きされる」、「高齢者が十分な医療が受けられない」などの制度に対する多くの国民の不満の意見を踏まえ、平成24年度末までに廃止し、新たな制度に移行する予定となっている。
 廃止に当たっては、第1段階として現行制度の問題点の解消を図るとともに、負担軽減措置を継続するなど、高齢者の安心確保のために最大限努力される。
 また昨年11月には、厚生労働大臣の主宰による高齢者や関係団体の代表、有識者からなる「高齢者医療制度改革会議」の初会合が開催されている。
 本会議は、三党連立政権の合意や民主党マニフェストを踏まえ、新たな制度の具体的なあり方について検討を行うために設置され、今年5月まで6回にわたり開催されてきた。
 会議は、今年夏の中間取りまとめに、年末の最終取りまとめに向けて、精力的に議論を行っていくことになっている。