退職後に継続再雇用された被保険者の標準報酬月額の決定方法が、9月1日から見直された。
通常の取り扱いは、「同一の事業所において雇用契約上一旦退職した者が1日の空白もなく引き続き再雇用された場合は、退職金の支払いの有無又は身分関係若しくは職務内容の変更の有無にかかわらず、その者の事実上の使用関係は中断することなく存続しているものであるから、被保険者の資格も継続するものである」とされ、資格得喪の手続きは行わないことになっている。
ところが、この被保険者資格の取り扱いについて、平成8年に変更が行われ、「特別支給の老齢厚生年金の受給権者である被保険者(60〜64歳)であって、“定年”による退職後継続して再雇用される者については、使用関係が一旦中断したものと見なし、事業主から被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出させる取り扱いとして差し支えない」との通知が行われ、資格の同日得喪の手続きを行ってもよいこととされた。
これは、被保険者資格を存続させると、再雇用により給料が下がったにもかかわらず、標準報酬月額の減額改定が4ヵ月後の随時改定を待たなければ行われないのに対し、資格の得喪の手続きをすることにより、再雇用された月から再雇用後の減額された給与に応じて標準報酬月額が決定されて反映され、在職老齢年金の支給停止の計算等において被保険者に有利となるからだ。
しかしながら、定年制の定めのない事業所も一定程度存在する中で、定年による再雇用に限って同日得喪を認めているのは不公平であるとの声が厚生労働省に寄せられた。また、事業主は高年齢者等の雇用の安定等に関する法律にしたがって、定年の年齢の引き上げや定年制の廃止を講じなければならないこととされている。
これらの点が考慮され、定年による退職後に継続雇用された場合に加え、定年制の定めのある事業所において定年退職以外の理由で退職後継続雇用された場合や、定年制の定めのない事業所において退職後継続雇用された場合も資格の同日得喪の手続きを行っても差し支えないこととされた。
この場合の手続きは、事業主が該当者の厚生年金保険と健康保険の「被保険者資格喪失届」と「被保険者資格取得届」を、同時に年金事務所に提出することになるが、その際「就業規則、退職辞令の写し等の退職したことがわかる書類および継続して再雇用されたことが分かる雇用契約書」または「事業主の証明」の添付が必要となる。
事業主の証明については、様式にとくに定めはないが、退職した日と再雇用された日を記載され、事業主印が押印されていなければならない。
また、厚生年金基金や健康保険組合にへも同様の届出が必要になる。
退職後に継続再雇用された人の被保険者資格の取り扱いは、正社員に限らず、法人の役員やパートタイマー、アルバイトなどでも、厚生年金保険の被保険者であれば対象となる。
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