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   後期高齢者医療廃止の検討   

 
 現在厚生労働省は、平成23年の通常国会に、後期高齢者医療制度廃止法案を提出する準備を進めている。
 廃止に当たっては、現行制度のさまざな問題点の解消を図り、国民の納得と信頼が得られる新たな制度に移行するという、2段階の手順で進められる。
 現行制度の問題点の解消としては、資格証明書※は原則として交付しないことを基本とし、交付された場合にはその事案の概要を公表するなど、厳格な運用を徹底することとされた。
※特別の事情がなく保険料を1年以上滞納した場合に、被保険者証の代わりに交付される。医療機関の窓口で一旦、医療費の全額を支払い、後日、申請により窓口負担を差し引いた医療費が戻る。
 また、後期高齢者医療制度が導入されたことを契機として、多くの市区町村が人間ドックに対する助成を取りやめたことから、国からの補助制度を周知するとともに、助成を再開するよう要請が行われている。
 さらに、高齢者に対する健康診査の実施が努力義務とされた中で、受診率が低下していることから、各広域連合において受診率を向上させる計画を策定し、着実な取り組みを進めることとされた。
 75歳以上という年齢に着目した診療報酬体系については、平成22年4月の診療報酬改定において廃止されている。
 あわせて、高齢者の安心の確保のために、次のように現行の負担軽減措置が継続されることになった。
 まず、低所得者の保険料軽減(均等割9割・8.5割、所得割5割軽減)や被用者保険の被扶養者であった人の保険料軽減(均等割9割)、70歳以上75歳未満の患者負担割合(1割→2割)の引き上げの凍結といった現行の軽減措置を継続することとし、平成22年度分については平成21年度の第2次補正予算で措置されている。
 また、平成22年度は保険料率の改定の年であったが、高齢化の進行により、保険料率の増加幅は全国平均で約14%と見込まれていた。
 このため、広域連合の財政収支における剰余金を充当することに加え、都道府県に設置されている財政安定化基金の取り崩しなどにより、保険料負担の増加を極力抑制することで、保険料の増加幅は全国平均で2.1%に抑えられることとなった。
 また平成21年11月からは、高齢者医療制度廃止後の新たな制度の具体的なあり方について検討を行うため、厚生労働大臣の主宰により、高齢者の代表や関係団体の代表、有識者などの計19名からなる「高齢者医療制度改革会議」が設置され、これまで10回にわたり開催されてきた。
 検討に当たっては、@後期高齢者医療制度は廃止する、A高齢者のための新たな制度を構築する、B年齢で区分するという問題を解消する、C市区町村国保の負担増に配慮する、D高齢者の保険料が急に増加しないようにする、E市区町村国保の広域化につながる見直しを行う、など6原則を定め議論が行われている。
 平成22年8月に開催された第9回の会議では、それまでの議論を踏まえた「中間とりまとめ」を行ったが、この中で新制度の具体的な方針や仕組み、財源などは明確にされていない。
 今後はさらに議論が進められ、平成22年度末を目途に最終的なとりまとめを行った上で、法案提出、平成25年4月に新制度施行といったスケジュールとなっている。