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   「ねんきんネット」のサービス   

 
 日本年金機構は、インターネットを通じていつでも簡単に、自分の最新の年金記録を確認できる「ねんきんネット」の構築を進めており、平成23年春に開始される予定となっている。
 利用したい場合は、インターネットを通じて日本年金機構のホームページにアクセスし、「ユーザーID・パスワード」を取得する必要がある。
 日本年金機構が現在行っている「年金個人情報提供サービス」を利用する場合は、ホームページ上から「ユーザーID・パスワード」の発行を申し込むと、後日、郵便で送付されるが、実際に利用可能になるまで2週間程度の日数を要する。
 「ねんきんネット」スタート後は、申込みから郵送までの日数は5日程度に短縮される。アクセスキー(17ケタの番号で、定期便などに記載される予定)を使用すると、「ユーザーID・パスワード」の発行申込後、即時発行と大幅に改善される。
 また「ねんきんネット」は、年金制度の加入記録、未加入期間、未納期間などの年金情報が、国民のサイドから確認できることが最大の特徴である。現在の「ねんきん定期便」による年1回の記録確認に対し、「ねんきんネット」は月次更新され、その記録がいつでも確認できる。
 具体的には、各年度・年齢ごとの各月加入状況が画面上に一覧表で表示され、同じ時期に別々の制度に加入している重複期間についても参照できる。一覧表の各月の年金記録をクリックすると、詳細な内容(会社名称、基金加入、標準報酬月額など)も表示される。
 一覧表の年金記録の内容により色を変更するだけでなく、ボタンのクリックなどで特定の文字を強調できるようになる。文字が多くなりがちな説明部分は、利用者が必要に応じて表示または非表示の制御が可能となる。
 文言や制度など難読な部分の近くに、「よくあるご質問」のリンクボタンが設置され、過去の質問内容をまとめたページが参照できるようになっている。また、別ウィンドウで国民年金、厚生年金保険、船員保険の各制度ごとの集約情報も参照できる。
 画面上で自分で簡単に「私の履歴整理表」が作成でき、自分の年金記録を確認できることも「ねんきんネット」のサービスの1つ。
 登録情報を表示しながら、必要に応じて自分で整理表の内容の修正ができる。入学や入社、転入や転出、結婚などの各分類ごとに入力画面を分け、1画面の入力項目を少なくする配慮も行われている。
 また、過去の重大ニュースを参考に、その時代の加入状況を思い出しやすいよう、質疑応答の形式で年金記録を判断できるなどのサービスも提供される。
 「ねんきんネット」の開始に当たり、自宅でパソコンを使えない場合は、年金事務所や市区町村役場、郵便局の窓口に出向いて、年金記録の照会や記録一覧表のプリントなどができるようになる予定。
 手続としては、利用者が「記録照会申請書」に必要事項を記入し、「本人確認書類(年金手帳、公的証明書)」とともに窓口へ持参する。代理人の場合は「委任状」も必要になる。
 「ねんきんネット」は、年金記録問題の解決や年金業務の効率化を目標とした取り組みだが、「ねんきん定期便」の費用問題の解決策としても、「ねんきんネット」への切り替えを早く実現したいところだ。