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  改正育児・介護休業法  

 
 平成4年に「育児休業法」がスタート、平成17年には子の看護休暇が制度化されるなど、育児をしながら働く人の両立支援制度が見直されてきた。
 しかし、出生前後に仕事を辞める女性も多く、一方で男性の育児休業取得は以前と少ないままとなっている。
 こうした中、男性も女性も働き続けながらを育児や介護ができる環境づくりを目指した「改正育児・介護休業法」が、平成22年6月から一部を除き施行されている。
 来年7月からは、現在適用が猶予されている「短時間勤務制度」と「所定外労働の制限」、「介護休暇」が、常時100人以下の従業員を雇用する事業主にも義務づけられ、全面施行される。
 改正育児・介護休業法では、夫婦共働きの家庭が多くなっている中、男女とも仕事と家庭の両立を図りながら子育てや介護ができる環境づくりを目指している。
■短時間勤務制度
 短時間勤務制度は、3歳未満の子を養育する従業員が申出により、所定労働時間の短縮を利用できるもの。
 1日の労働時間を原則として6時間とする措置を含むものとし、事業主はこの制度を就業規則に規定しなければならない。
 次のいずれにも該当する男女従業員が対象となる。
(1)3歳未満の子を養育する従業員であって、短時間勤務をする期間に育児休業をしていないこと。
(2)日々雇用される従業員でないこと。
(3)1日の所定労働時間が6時間以下でないこと。
(4)適用除外となっていないこと。
 雇用期間が1年未満や週所定労働時間が
2日以下の従業員については、労使協定により適用除外とすることができる。また、短時間勤務制度を講ずることが困難な業務に従事する従業員を適用除外とする場合は、事業主はフレックスタイムや時差出勤などの代替措置を設ける必要がある。
■所定外労働の制限
 所定外労働の制限は、3歳未満の子を養育する従業員が申し出た場合、事業主は所定労働時間を超えて労働させてはならないという制度。
 原則として3歳未満の子を養育する男女従業員が対象となる。雇用期間が1年未満や週所定労働時間が2日以下の従業員については、労使協定により適用除外とすることができる。
 従業員は、1回につき1ヵ月以上1年以内の期間について、開始予定日と終了予定日を明らかにし、開始予定日の1ヵ月前までに事業主に申し出なければならない。申出は何回でも可能となる。
■介護休暇
 介護休暇は、要介護状態にある家族の介護を行う従業員は、申し出により利用できる制度。
 従来どおり、要介護状態に至るごとに介護休業を取得できるが、対象家族が1人であれば年に5日、2人であれば年10日まで、
1日単位で短期の休暇が取得できる。
 すべての男女従業員が対象となるが、雇用期間が6ヵ月未満や週所定労働日数が2 日以下の従業員については、労使協定により適用除外とすることができる。
 介護休暇を利用する場合は、休暇を取得する日と理由を明らかにして事業主に申し出る必要がある。介護休暇は、負傷や病気など緊急時の利用が多いことから、電話による口頭での申出を認め、後日書面を提出することになる。
 育児・介護休業法に関する問い合わせは、都道府県労働局雇用均等室へ。