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  5月実施 被扶養者の再確認  

 
 協会けんぽでは、保険給付の適正化と高齢者医療制度の納付金や支援金の適正化を目的に、被扶養者が現在もその状況にあるかを確認するため、毎年度5月末から7月末までの期間に、被扶養者資格の再確認を実施している。
 平成25年度の実施結果によると、平成25年10月末現在で削除となった被扶養者は7万人で、削除となった結果32億円の高齢者医療制度への負担の効果が見込まれている。
 被扶養者から削除された理由は、「就職したが被扶養者から削除する届出を行っていなかった」がほとんどで、他に収入超過による理由も多くなっている。
 平成26年度も例年と同様、5月末より順次、「被扶養者状況リスト」が事業主へ送付されるが、具体的に以下のような内容で実施される。
◯再確認の対象者
 再確認の対象者は政府管掌健康保険の被扶養者で、次の人は対象から除かれる。
(1)平成26年4月1日に18歳未満である被扶養者
(2)平成26年4月1日以降に被扶養者の認定を受けた被扶養者
 すべての被扶養者が上記(1)か(2)に該当する場合は再確認は不要のため、事業主へ「被扶養者状況リスト」は送付されない。
◯再確認の流れ
 協会けんぽから事業主あてに「被扶養者状況リスト」が送付され、事業主は被扶養者が現在も健康保険の被扶養者の条件を満たしているかどうか、被保険者に確認する。結果を「被扶養者状況リスト」に記入の上、事業主印を押印する。(リストの2枚目は事業主控となる)
 削除となる被扶養者については、同封の「被扶養者調書兼異動届」に必要事項を記入して、被扶養者の被保険者証を添付して、協会けんぽへ返信用封筒で提出する。
 協会けんぽでは、返信された書類の内容を確認し、削除となる被扶養者の「被扶養者調書兼異動届」を管轄の年金事務所に送付する。
 年金事務所では、協会けんぽより回送された「被扶養者調書兼異動届」の内容審査と削除処理を行い、「被扶養者(異動)届」の「控」を事業主へ送付する。
◯提出時期
 事業主は、被扶養者資格の再確認が完了次第、「被扶養者状況リスト」等を協会けんぽへ提出するが、最終提出期限は平成26年7月末となる。
 なお、一般的には「被扶養者調書兼異動届」は協会けんぽの被扶養者資格確認専用私書箱へ送付することになるが、その控えが事業主へ返送されるまで、1ヵ月程度の期間を要する。このため審査結果を早急に確認したい場合は、通常の「被扶養者(異動)届」を管轄の年金事務所に提出する必要がある。
○被扶養者データのダウンロードサービス
 事業主が協会けんぽホームページより、被扶養者情報の提供サービスの利用を申請すると、6月上旬から7月末までの間、「被扶養者状況リスト」に印刷された内容と同様の被扶養者データがダウンロードできるようになる。

 高齢者医療費は、税金や本人負担のほか、協会けんぽ等の医療保険制度からの拠出により賄われている。支援金は制度の加入者の人数に応じて算出されるため、本来、被扶養者から削除されなければならない人の届出を行っていないと、その被扶養者分についての支援金の額が追加され、被保険者の保険料負担も増えることになる。
 扶養者資格の再確認は、保険料負担の軽減につながる大変重要な事務として実施されることになる。