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  医療保険部会の議論整理  

 
 社会保障審議会医療保険部会は「社会保障・税一体改革大綱(平成24年2月17日閣議決定)」を受けて、平成25年度予算編成までに議論を尽くしておくべき課題を中心に検討を続けてきた。
 厚生労働省は平成25年1月9日の部会で「議論の整理」を示し、大筋で了承された。「議論の整理」は、平成24年7月以降5回にわたり議論した主な課題について、現時点の検討状況をまとめたもので、その概要は以下のとおり(抜粋)、各課題の多くが両論併記となっている。
(1)協会けんぽの財政対策
○協会けんぽの財政基盤の強化、安定化を検討するに当たっては、高齢者医療の在り方の見直しが必要であることから、社会保障制度改革国民会議の議論を踏まえた見直しが実施されるまで当面の対応として、準備金を取り崩せば保険料率10%が維持できる平成26年度までの2年間、現行の措置(国庫補助率16.4%、支援金の1/3について総報酬割)を延長することはやむを得ないとの意見が多かった。
○他方、多くの健保組合で赤字となっている実態を考慮して方策を検討すべきとの意見や、協会けんぽの財政状況は改善しており現行の措置を延長する必要はないとの意見もあった。
(2)高齢者医療制度の支援金負担の在り方
○総報酬割は、所得に関わらず保険料率が平準化されるため、最も公平な制度であることから、将来的には総報酬割に移行すべきとの意見が多かった。
○他方、総報酬割は被用者保険間の負担の付け替えでしかなく、納得できないという意見もあった。
(3)70歳から74歳の患者負担の取扱い
○70歳から74歳の患者負担は、平成20年4月から法律上2割負担とされているが、毎年度約2,000億円の予算措置により、1割負担に凍結されている。他の世代との公平性の観点から、早急に法律上の2割負担に戻すべきとの意見が多かった。
○一方で負担の増加による受診控えによる症状の悪化が懸念されるため、現行の措置を維持すべきとの意見もあった。
○公平性の観点から見直しは行うべきだが、引き上げによる負担感を軽減するため、現在1割負担である者の負担割合は変更せず、平成25年度以降に新たに70歳以上となる者から3割負担を2割負担とすることとし、段階的に法律上の負担割合に戻すべきとの意見があった。
○医療保険財政は猶予を許さない厳しい状況であることから、平成25年度から直ちに70歳から74歳の者を一律2割負担にすべき、または実施する場合には、低所得者等に配慮すべきとの意見もあった。
(4)高額療養費制度の改善
○高額療養費の改善の必要性については異論がなかったが、年間での負担上限の導入では、@必要となる保険料財源と比較してシステム改修費が多額に上るため、費用対効果が薄く効果が限定的、A厳しい医療保険財政の中、保険者への負担増は避けるべきで、改善に当たっては財政中立であるべきとの理由から、導入には慎重な意見が多かった。
  今後以上の課題について、厚生労働省で医療保険部会の意見を十分に踏まえて見直しが進められるが、実際の施策に反映されるか否かは、政権の判断に委ねられることとなる。