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社会保険の実務に役立つトピックス

     基本手当日額が引き下げに

 雇用保険では、基本手当日額の算定の基礎となる賃金日額が、毎月勤労統計の平均定期給与額の変動に応じて、毎年8月から自動変更されることになっています。今回、平成13年度の毎月勤労統計の平均定期給与額が平成12年度と比べ約0.9%低下したことから、同率で賃金日額の範囲や高年齢雇用継続給付の支給限度額などが8月1日から引き下げられています。
 具体的には、賃金日額が従来の4,250円から4,210円に引き下げられたことから、基本手当日額の最低額も3,400円から3,368円に引き下げられました。また、賃金日額の最高額は年齢に応じて30歳未満14,950円→14,460円、30歳以上45歳未満16,210円→16,070円、45歳以上60歳未満17,840円→17,680円、60歳以上65歳未満は19,450円→19,280円に引き下げられました。このため、基本手当日額の上限額もそれぞれの年齢に応じて、30歳未満8,754円→8,676円、30歳以上45歳未満9,726円→9,642円、45歳以上60歳未満10,704円→10,608円、60歳以上65歳未満は9,725円→9,640円に引き下げることになりました。この基本手当の日額の算定にあたって80%を乗じる賃金日額の範囲や80%から60%までの範囲で逓減する率を乗じる賃金日額の範囲及び60%を乗じる賃金日額の範囲も変更になりました。具体的な例で見ると、賃金日額が6,000円の受給資格者の基本手当日額は、従来の4,451円から4,440円に、また、賃金日額が9,000円の受給資格者の基本手当日額は従来の5,782円から5,758円に下がります。
 失業の認定期間中に内職収入を得た場合、収入から控除額を控除した額と基本手当日額との合計額が、賃金日額の80%相当額を超えるときは超える額の分だけ基本手当日額が減額されますが、この算定で用いる控除額も従来の1,401円から1,388円に引き下げられました。
 被保険者期間が5年以上ある人が60歳以後65歳になるまで継続雇用あるいは再就職し、その賃金が60歳到達時の賃金に比べて85%未満である場合は、高年齢雇用継続給付金が新賃金の25%を上限に支給されます。ただし、賃金と高年齢雇用継続給付との合計額が支給限度額を超える額を控除した額が給付金の支給額になるなどの調整が行われることになっています。
 この高年齢雇用継続給付の算定に係る支給限度額も賃金日額の引き下げに伴い、従来の389,115円から385,635円に引き下げられました。
 その他にも、育児休業基本給付金や介護休業給付金の上限額を算定する際の賃金日額上限額も、従来の16,210円から16,070円に引き下げられました。この結果、育児休業基本給付金の上限額は、144,630円(16,070円×
0.3×30)に、介護休業給付金の上限額は192,840円(16,070円×0.4×30)にそれぞれ引き下げられています。